マイクロ広角レンズの全て

10.ビデオカメラ用マイクロ広角レンズ

低倍率顕微鏡対物レンズ

'05/6/19

Kochan


最近、ビデオカメラ用にマイクロ広角レンズをあつらえて欲しいとのご要望が増えています。Kochanとしては、少しお値段が高くなりますが、

ここにご紹介するシステムを推奨致します。それは、顕微鏡対物レンズに2.5倍を使うことです。しかし、残念ながら2.5倍の工業用

高性能対物レンズは高分解能低歪率タイプの最高クラスのMプランアポクロマート(型名 オリンパスMPLAPO2.5x)しかありません。

このレンズであれば、後から引き延ばし(ズーム拡大、レンズ拡大および延長バレルによる拡大)を解像度にゆとりを持って付加していくことが

できます。CCTVレンズはおなじみKowaのLMVZ164です。実験で用いたカメラは、全体の様子がわかるように、APS−Cより少し大きめ

の撮像素子を持ったEOS 1DMk2です。

 

・この画像はf=1.6mm、絞り1/4、CCTVレンズのフォーカス筒を最も前に送り出した状態で本体でのフォーカス調整を行った場合です。この組み合わせがカメラに入るイメージサークルを最も小さくできます。赤の枠で示した様に丁度2/3インチ撮像素子にけられることなく適合することがわかります。

・これは前の状態からレンズ焦点距離fを3.4mmにした場合です。画像そのものの撮像アングルは変化しないで全体にイメージサークルが大きくなるだけです。

 

 

 

 

・これは逆にf=1.6mmでフォーカス筒を最も引っ込めた状態で撮影した場合です撮像アングルは狭くなりイメージサークルは前の状態と同じく拡大されています。この様な特殊な使い方では、この調節リングをピント合わせでは無くズームと言っても良いくらいです。

 

 

・とは言っても、やはりピント筒を引っ込めた状態でf=3.4mmにするとさすが、イメージサークルが大きく拡大されていく様子がわかります。

 

 

 

 

・APS−Cのカメラにも使えるまでイメージサークルを大きくできるかですが、本体機能最後の手段・・・ズーム筒を目一杯伸ばして見ました。ビデオカメラでは標準レンズぐらいにまで画角が狭くなりましたが、APS−Cにはもう一息です。このままではビデオ、1眼カメラ共通とするのは難しいですね。

・マイクロ広角レンズのフランジは自由に変換できる設計でありながら今一歩状態です。また、ビデオとAPS−C1眼カメラの共用ですが、せっかくの高級顕微鏡対物レンズですから何とかならないのでしょうか。手はいくつか考えられます。マイクロ広角レンズとカメラの間に拡大レンズ(EOSであればエクステンダー)を挟むことです。1.4xで十分な感触です。

・または接写リングをかまして更にイメージサークルを拡大するのも良いでしょう。しかし、AF用の接点にAF対応レンズ、リングを入れてしまうとエラーとなってカメラが動作しません。これを防ぐにはEOSであればフランジのつばを5mmだけカット(マニュアル用に変更)するのが効果的です。これについてはあらためて解説します。

 

 

 

 

 

  

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