いろいろな質問について

このコーナーは、お客様からのいろいろなご質問に対しての回答を解る範囲内で掲載しています。
ただ当店の意見として述べていることもありますので、全てが正しいとは限りませんのでご了承下さい。
:タカハシの望遠鏡(FC76やFS128等)でマミヤ645ボディを使用して写真を撮影したいが、接続リング等はありますか。
:以前タカハシから出ていたマミヤ645用のバヨネット環がありましたが、現在では生産が中止になっています。そこで光映舎では、各タカハシの望遠鏡のデータを基に新たにタカハシ望遠鏡とマミヤ645を接続するアダプターを製作しました。
現在は下記の4種類が光映舎オリジナル製品として製作されていますので是非お使い下さい。
 1.FC76(FS78)用マミヤ645アダプター ¥17,000
 2.FC100(FS102)用マミヤ645アダプター ¥19,000
 3.FC125(FS128)用マミヤ645アダプター ¥21,000
 4.FCT100用マミヤ645アダプター ¥24,000

また、正確なピント出しには、光映舎オリジナル製品のピントアダプター(ロンキー法・スリガラス法)マミヤ645用をお薦めいたします。
 ピントアダプターロンキー法(マミヤ645用)  ¥25,500
 ピントアダプタースリガラス法(マミヤ645用) ¥22,500


:ST-7E等冷却CCDカメラを使用して3色分解撮影したいのですが、
  Tokai製LRGBフィルタの露光倍数を教えて下さい。
:卓上の計算からは以下の露光倍数が出てきます。
 下記の値は目安に過ぎません。
 実際には天候、天体の高度、光学系のカラーバランスで変わりますので、
 この数字を目安に補正値を経験的に得てください。
★連続スペクトル(この場合波長毎の光の強度が同じとしています。)で、
 CCDはコダックKAFシリーズのノーマルチップの場合、
   1、Tokai RGB Type2(new)
     R=1.0  G=1.3  B=2.4
   2、Tokai RGB Type3
     R=1.0  G=0.9  B=1.7
 CCDはコダックKAFシリーズのEチップの場合、
   3、Tokai RGB Type2(new)
     R=1.0  G=1.5  B=1.8
   4、Tokai RGB Type3
      R=1.0  G=0.9  B=1.2
*Type3のBにはRの短波長側の透過率分を乗っけてみています。 ★惑星状星雲(のHα(R)、OV(G,B)、Hβ(B)輝線をそれぞれ1でみています。)で、
 CCDはコダックKAFシリーズのノーマルチップの場合、
   1、Tokai RGB Type2(new)
                Hα(R)=1.0  OV(G,B)=1.0  Hβ(B)=2.5
   2、Tokai RGB Type3
                Hα(R)=1.0  OV(G,B)=1.0  Hβ(B)=2.5
 CCDはコダックKAFシリーズのEチップの場合、
   3、Tokai RGB Type2(new)
                Hα(R)=1.0  OV(G,B)=1.5  Hβ(B)=1.3
   4、Tokai RGB Type3
                Hα(R)=1.0  OV(G,B)=1.5  Hβ(B)=1.4
*ノーマルKAFチップだと確かにOV(青緑)をちゃんと(BとGを同じ露光倍数で)出そうとすると、Hβ(青)が出にくくなりますね。
 Eチップだと連続スペクトルから惑星状星雲までバランス?良く出せそうです。
 バランスに?を付けたのは天体撮影でのカラーバランスの定義が複雑だからです。

以下の図はRGB各フィルターを通したコダックCCD量子効率です。
ご参考までに..





:ペンタックス67のバルブ無電源改造で、バルブを使用しても電池が消耗します。
:電池を入れるから電池が消耗します。何とも無責任な答えですが?
電池を入れないでバルブが使用できるのが、ペンタックス67のバルブ無電源改造によるバルブ操作です。ペンタックス67ボディは、シャッターボタンを押したときに電源が入り、電流が流れ、電磁マグネットが作動し、ミラーが跳ね上がり、マグネットにより固定されます。と同時に先幕が走ります。シャッターダイヤルの一定時間後に電磁マグネットが解除され、後幕が走り、ミラーが下がり終了します。この一連の動作が行われます。
もし、電池が消耗している場合や無い場合は、マグネットが作動しないので、ミラーが途中で止まり、つまり安全機構が働き、シャッターが作動しません。
バルブ無電源改造は、そのミラーをマグネットに押しつける働きをメカ(一般にはレリーズを使用)により行う改造です。その操作は、バルブ無電源改造を行った部分にレリーズを取り付け、まずシャッターを巻き上げ、そのレリーズを押して、ストップ(オートストップ)にし、シャッターボタンを指(レリーズでも良いがその場合にはレリーズをオートストップにしないこと)で押しますとシャッターが開きます。閉じるときにはバルブ無電源改造側のレリーズを解除すればシャッターは閉じます。ダブルレリーズはストロークの調整が難しいので当店では薦めていません。
ミラーアップ使用の場合は、シャッターボタンを押す前にミラーアップレバーを操作します。ミラーアップ使用の場合は、W(ダブル)レリーズは使用できません。 このバルブ無電源を行う操作は、シャッターボタンを押してシャッターを開放しますので、電池を入れた場合には当然電流が流れ電池が消耗します。
電池を入れてバルブ無電源操作を行いますと、シャッターを閉じるときに閉じられないことがありますのでご注意下さい。これはレリーズを解除しても電磁マグネットが働いている状態(残留磁気による)になっている場合があるので当然シャッターは閉じられません。このトラブルは非常に多く発生しています。
つまり、
 1.電池をカメラから取り出しておく
 2.シャッターボタン側はレリーズ使用の場合は絶対にオートストップにしない。レリーズの解除を忘れることが多いので。
 3.ダブルレリーズはストロークの調整が難しいので使用しない方がよい。


:カメラの精度は、メーカーでは一般撮影を基準に測定しているので、天体には精度が悪いですか。ボディにはばらつきがある(フランジバック?の)とよく聞きますが。また35oカメラに比べて6×7等の中判カメラは平面性が良くないと聞きますが。
:精度については、この項ではペンタックス67について説明します。一般撮影に使えるが、天体撮影には精度が悪い(?)というのは少しおかしな話です。良く耳にしますが。
このような質問があまりにも多いので、以前スカイウォチャーの当店の広告に掲載したことがあります。
ペンタックス67のフランジバックは85.0oであることは良く知られています。これは∞の時レンズのマウントから焦点面の距離が85.0oということになり、ボディではレンズの取り付けるマウント面からフィルム面までがフランジバックに相当する寸法になりますが、その寸法を測定することは実際出来ません。ということは、現在のカメラのほとんどは0.2o(上下と内側のレールの段差)の隙間の中をフィルムが通る方式で、フィルムが宙に浮いた状態になっているためにフィルムがその位置にあると仮定する寸法が、ボディのフランジバックということになりますので、実際に測定することは出来ません。この0.2oの寸法はトンネル量といい、この方式をトンネル式といっています。では、ボディの場合の表示はフランジバックではなく一般的にはメカニカルバック等と表示しています。メカニカルバックは、一般にボディのマウント面から内側のレールまでの距離をいいます。ペンタックス67の場合は、フランジバックは85.0oですが、メカニカルバックは84.95oということです。これは、メーカーに問い合わせると教えてもらえます。これはメーカーによっては外側を測定しているところもありますので注意が必要です。このメカニカルバックの規格は、一般には±3/100oといわれています。フィルムを吸引した状態で測定すると、フィルムの厚さ0.1oとすると、マウントからフィルム面までの距離バックフォーカスは計算上85.05oになりますが、数多く測定した実測値では85.03位が一番多かったようです。調整には最低2/100oのワッシャーで調整しますので、非常によい精度で調整されていることは確かです。このようなことで、ばらつきがあるというのは疑問があります。平面性については、上下のレールに圧板があたります。圧板の平面性は1/100oといわれていますので平面性についても問題ありません。35oより平面性が悪いというのも理解できません。絶対にそういうことは無いと思います。
ペンタックス67のボディを吸引すると理論的に5/100oレンズのフランジバックより長くなりますが、これを調整することは可能です。当店では吸引改造したボディを数台調整を行ったことがあります。もし、吸引してボディのバックフォーカスが気になるようでしたらお問い合わせ下さい。
注)ペンタックス67のボディを吸引すると理論的に5/100oレンズのフランジバックより長くなる、というには少しおかしく思います。実際には、5/100oレンズのフランジバックより長くなった位置に平面性が保たれる、というのがカメラの構造からして正しいと思います。
測定方法について、次のに説明します。


:カメラボディのバックフォーカスはどのように測定・調整しますか。また、正確に測定することは出来ますか。
:カメラボディの場合にはフランジバックという言葉は使用できないし、メカニカルバックというのも数値上正しくない場合もありますので、ここではボディのこれらの測定全般にバックフォーカスという表現にしていますのでご了承下さい。まず、これにはカメラメーカーと我々天文関係では測定方法はいささか違います。
カメラメーカーで一般的に行われている方法は、私の記憶が正しいければ、以前のカメラのカタログ(たぶん30年位前のペンタックスSV・SPの時代)に測定方法が掲載されていたと思います。その方法は、カメラボディのマウントを定盤の上に置き(実際はジグの上に置く)、上からダイヤルゲージ(記憶では4個)でレール面を測定している写真が掲載されていたと思います。この場合はメカニカルバック、スケアリングの測定はダイヤルゲージの一定の圧力で測定できますので、個人差による測定誤差はありません。また、レール面全面に対して測定が可能ということになりますので、フォーマット全面に測定できます。特に、ペンタックス67や6×9等中判や大判に対しても最周辺まで測定できる利点があります。精度は圧板の平面性が良いということが前提になりますが、圧板の平面性については他で述べました。
次に当店でアストロカメラ等を製作する場合のバックフォーカスの測定・調整については、マウント側から裏蓋を閉めた状態で、デプスマイクロメータ(デジタル式で最少読み取り値1/1000oの高精度を使用)で圧板に当たった瞬間を読みとり、フィルムの厚さ(当店では0.11o)を差し引いた値をバックフォーカスとして、レンズのフランジバックに合わせます。
しかしこの方法は、測定面のマウントの内径より外側のバックフォーカス、スケアリングは測定不可能です。ペンタックス67のマウントの場合は、内径約φ70oですので、実際にはφ65o位しか測定できないことになります。6×7の対角線のφ88oは想像で表現するしかありません。実際には想像は無意味ですので、当店では測定できないものを表示することはしません。


:暗いレンズは吸引しなくても良いといわれますが。被写界深度が深くなるからですか。
:天体写真のように星を点でフィルム上に撮す場合には、特に長時間撮影中にフィルムが動かないことが条件になります。暗い(F値)レンズの場合には被写界深度(?)が深いので、フィルムが光軸上に動く、つまり浮き上がりの場合には、さほど問題にはならないと思います。しかし実際にはフィルムは光軸に対して直角方向(平面上)に動く場合には問題が生じます。つまりフィルムが平面上に0.1o動いたとします。これをプリントで10倍に拡大すると1oの線としてプリントされます。これはF値に関係なく、また焦点距離に関係なく同じ寸法の流れとして表現されます。このことはシャープな光学系(F値が暗い)の程、像の流れは気になることと思います。日周運動を撮影して、暗いレンズを使用したから吸引しなくても像の浮き上がりは判らないということを良く聞きますが、これは日周運動(風景)の写真だから判らないだけです。
吸引改造は、長時間撮影中にフィルムが動かないように、一般には圧板(4×5フォルダーの場合は仕切り板)の後ろから吸引して、フィルムを圧板に吸着させます。
ここでは被写界深度という言葉を使用しましたが、天体写真の場合は被写界深度の定義からすると少しおかしく思います。私の場合は天体写真の場合には、焦点深度という言葉を使用しています。
被写界深度とは、ある距離にピントを合わせたとき、その前後にもピントが合っていると認められる奥行きがある。天体写真は、無限のみを扱うのですから、被写界深度という言葉は正しいかどうかは判りません。よって、当店の場合、説明に使用する場合には焦点深度という言葉にしています。 吸引改造について記載していますのでご覧下さい。


:大判用の4×5フィルムホルダーは、バックフォーカスにバラツキが多いと聞きますがどうでしょうか。また、フィルムホルダーを数枚使用する場合にはどのような調整をしていますか。
:4×5のフィルムホルダーはバックフォーカスに相当する寸法は、非常にバラツキが多く、今までに測定したフィルムホルダーのバックフォーカスのバラツキは、最大0.7oの誤差がありました。私自身この誤差が気になりましたので、メーカーに規格を問い合わせたところ、4×5フィルムホルダーの寸法は、フォルダーの面より仕切り板までの寸法は5oということです。規格はそこまでで、±○oという規格は無いということです。つまりその寸法は6oでも4oでも良いことになります。今まででは±0.2o位のバラツキが一般的にあります。それでは、本体部分にネジを設けて、一部を前後出来る構造にして、フィルムホルダーの寸法差だけ移動できるようにすればよいということになります。ここで4×5フィルムホルダーでもっとやっかいな問題があります。それはスケアリングということになります。フォルダーの中心部分を測定したら同じ寸法でも周辺では、逆の値を示します。このスケアリングに関してはネジによる調整は不可能です。
そこで当店では、仮に3枚ホルダーが必要(注文)のお客様については、多くのフォルダー(10〜30枚位)を測定し、バラツキの少ないフォルダーを選んで、吸引改造して当店のアストロカメラに使用しています。今までに10枚必要なお客様の場合は、実に50枚以上(100面)測定して、選び出したことがありました。


:ペンタックス67レンズ用のアストロカメラは、レンズを取り付けた場合はレンズを∞に合わせれば良いのでしょうか。
:光映舎アストロカメラのカメラマウント用は、各カメラレンズのフランジバックに合わせていますので、ペンタックス67をはじめレンズを使用する場合はレンズのピントを単に∞に合わせればピントが出ます。ただし、EDレンズ等のようにピントが∞の位置で固定されていないレンズの場合は当然調整が必要です。また、ウクライナ製魚眼レンズ30oF3.5については多少短めに製作しています。

:カメラレンズは、∞でピントがでない製品がありますが、なぜですか。
:考えられることは4つあります。
1つはレンズがEDレンズ等のように温度変化によりピント位置が変化するようなレンズの場合には、レンズの∞の位置よりも内側に調整されています。
2つ目は望遠系のレンズに多いですが、フィルターを内側に入れる設計の場合、フィルターを入れて∞が出るようになっているレンズもあるので、これはフィルターを使用しない場合でもUV等のフィルターを入れていないと∞にピントが出ません。
3つ目はオートフォーカスのレンズの場合には機構上レンズの∞の位置より短く調整されています。これはボディでオートフォーカスを行うには前ピン、後ピンを感知しなければオートフォーカスできないからです。この寸法はメーカー、レンズにより変えているみたいです。あるメーカーの広角レンズの一部には、∞に固定している場合もあるといわれています。
この3つに対しては使用者側で理解していれば何の問題も起こりません。
もう一つは、使用中にレンズの∞が固定されなくなった場合です。カメラレンズは一般にコリメーター等で∞が出たところで、前玉の脇にあるビス(3本:実際にはリングの中で見えません。)により固定します。このビスが緩んだとすると∞で固定されなくなります。つまり、使用するたびにピントリングが同じ位置にきません。この場合には個人で調整することは不可能ですので、必ずメーカーに修理を依頼した方が良いと思います。ちなみにレンズの調整制度は、±2/100oまで読み取り可能ということです。調整されていれば精度の面では問題ありません。


:天体用冷却CCDカメラで、35oカメラレンズを使用して撮影したい?
また、カラーにもチャレンジしたい。
:現在日本で入手しやすいCCDカメラは、MUTOH CVシリーズ、ビットランBT、BJシリーズ、SBIG ST-7/8、ST-6、ST-5C、ミードPictor等ありますが、これらはほとんどの場合、望遠鏡に取り付けることを目的に製作されているために、CCD側をアメリカンサイズ等のスリーブになっています。これでは35oカメラレンズ等を付けて撮像することはできません。
そこで、光映舎ではスリーブの替わりに35oカメラマウント用の取り付けアダプターを製作しています。これには単にカメラレンズを取り付けるためのアダプターと、カラー撮像ができるようにLRGBをスライド枠に取り付けて使用できるスライド式フィルター付カメラマウントを製作しています。
これはまた、望遠鏡に取り付ける場合には、望遠鏡メーカー指定の35oカメラ撮影システムを使用すればできますので、ほとんどの望遠鏡に使用できることも特徴です。
このアダプターを使用して、望遠鏡だけでなく、35oカメラレンズによるCCDカラー撮像にもチャレンジして下さい。


:いま、手元にあるレンズをアストロカメラにしたいが製作はしてもらえないか? また、その費用は。
:光映舎では、今までに数多くのレンズを使用してアストロカメラを製作してきました。当店ではそれほどレンズは持っていませんので、そのほとんどはお客様がお持ちのレンズです。天体写真用としての条件が整えば製作させていただきますのでご連絡下さい。費用については、光映舎オリジナル製品を製作したと仮定して決めさせていただきます。光映舎に製作の機会を与えてくれたのですから、ご期待に添うようにできるだけのことはさせていただきます。当店の設備をフルに使用して製作いたしますので、アストロカメラ以外の製作もご相談下さい。


:光映舎のオリジナル製品には、保証期間等が表示されていませんが、保証期間はいつまであるのですか。
:光映舎オリジナル製品を安心して永くお使いいただくために、修理・調整等メンテナンス等に掛かる費用は一切頂いておりません。しかし、落下、水没等事故による部品交換等の場合は、別途請求いたします。また、メーカー製の製品(例えば、フィルムホルダー等)についてはメーカーの保証内容に準じます。これらの内容について、料金無料の場合においても送料は実費お支払い下さい。
※当店で製作した部分に関しては永久保証ですが、これは、当店で今後状況により製作することができない状態に陥ったときには、以後についての保証はできませんのでご了承下さい。また、この保証の適用は、日本国内とさせていただきます。


:新型・干渉フィルター(LRGB type2、LRGB type3、NRF-JPN)のコートの耐久性、クリーニング、取り扱い等について教えて下さい。
:誘電体蒸着薄膜を利用したLRGB type2、LRGB type3、NRF-JPNとも分光特性を持たせるフィルターの役目は、ガラス基板表面に透明誘電体を蒸着した薄膜(コート)です。
フィルターの使い方、設計の考え方、薄膜の選択の相違で、複数のガラス基板を接着し接着層に分光特性を決めるコートを封じ込める場合もあります。
トーカイ製の上記フィルターは全て1枚の基板表面に分光特性を決めるコートが蒸着されています。
ガラス表面に心臓部のコートが露出していますのでぶつけたり、擦ったりしてキズが入らないように取扱には他の光学部品同様充分注意してください。
トーカイ製干渉フィルターは全てハードコートを基本としていますが、その硬さは青板の表面硬度程度の強さがあります。
しかし、コートは経年変化により少しずつ剥離応力が弱くなってきますので、コート表面に何かを貼り付けて剥がすようなことはしない方が賢明です。
例えば、スリキズがついてしまった部分を、セロハンテープをくっつけて剥がすとコートが剥がれてしまう場合があります。(*1)

汚れ落としは...
シリコンクロス又は【アルコール・エーテル混合液を含ませた綿布】で強めに拭き上げても大丈夫です。(*2)
当店では、エーテル7・アルコール3の割合の混合液をハンドラップの中に入れ、レンズ専用のペーパーを使用しています。
拭き方は枠等に入っている場合は...
混合液に浸したペーパーを中心から円弧を描くように外側に拭いていきます。
フィルター基板単体の場合は...
ペーパーを折り、フィルターを挟み込み、回転させながら中心から外側に拭いていきます。
これはレンズの場合にも同様に行います。
専用ペーパーが無い場合には、ティシュペーパー等で代用もしています。

*1、MIL規格のセロハンテープによる剥離テストと同じ様なことをする事になります。
*2、ペーパー、綿布に硬い砂埃が無いことを前提としています。
*3、トーカイ製LRGB type2、LRGB type3、NRF-JPN、販売予定のUBVRI、LCYM各フィルターともコートの物質に酸化チタン(TiO2)が多用されています。
 コートにある程度の紫外線が照射されると、酸化チタンの光触媒反応により透過率が10%程度低下する現象が生じます。
 ただし、自然放置すれば徐々に透過率は回復します。
*4、トーカイ製LRGB type2、LRGB type3、NRF-JPNは全て1mm厚です。
(NRF-JPNの銀塩用M48以上のサイズは2.5mmです)
 一般の吸収タイプのフィルター(2〜2.5mm)と比べ衝撃により割れやすいので注意が必用です。


:カメラの三脚ネジについて。カメラの三脚ネジには2種類あると思いますが、これはなぜですか。また、ネジの種類は何ですか。
:ここでは、三脚ネジに場合は一般にはカメラの三脚ネジを指しますので、カメラ三脚ネジの規格について説明します。三脚ネジは一般には、1/4又は3/8(インチ)のネジを使用するように決められています。ピッチは1/4はインチ20山(1.270o)、3/8はインチ16山(1.588o)です。
日本規格協会の発行しているJISハンドブック(当店で使用しているのはJISハンドブック 光学−1994)によると、カメラ三脚取付部B7103-1975の規格によると上記の他に細かい寸法が記載されています。どうして2種類あるのか判りませんが、たぶん重量の多いカメラを搭載する時には、3/8のネジを使用するためだと思いますが、その他の理由がありましたら連絡いただきたいと思います。その中で特に必要な場合を除き、一般には呼び1/4のネジを用いることが望ましい。またネジの基準山形及び基準寸法は、JIS B 0206(ユニファイ並目ネジ)によると記載されています。
当店では3/8ネジは使用しないで、三脚座ネジとしては1/4-20UNCのタップを使用しています。UNC:ユニファイ並目ネジです。
よく三脚ネジとして1/4W(ウイットネジ)として説明されていることがありますが、天体望遠鏡の三脚ネジはそれなのか、天体望遠鏡関係の三脚座の資料が見あたりませんのでここでは答えることができません。メーカー等でそのような資料(規格の)がありましたらご連絡頂きたいと思います。


:F10のシュミカセに×0.3のレデューサーを使用して、CCDカメラのLRGBカラー合成をしたいと思いますが、実際には出来ますか。
:当店のスライド式フィルター付アダプターとレデューサーを使用してLRGBカラー合成を現在考えています。このレデューサー×0.3はニュートン様で販売されているスーパーレデューサーf/3.3(f10→f3.3)で製作を考えています。
製作に当たりいろいろな問題点があります。
第一に、このスーパーレデューサーの後玉から焦点面(CCD面)まで約25oですので、この間にスライドフィルター枠を組み込むことは不可能に近いと思います。
第二に、それでは望遠鏡とレデューサーの間に組み入れるには、レデューサーの直前にスライドフィルター枠を取り付けるとして、フィルターの径がφ48o位必要になるのではないかと思います。その場合は、スライドフィルター枠の長さが280o、幅が55oになると思います。また、このサイズの干渉フィルターLRGBの価格は非常に高価になるのではないでしょうか。しかし、このフィルターは当店で販売を計画中の標準測光用干渉フィルターを使用することも考えています。この位置に取り付けることは今のところ最良の方法と思いますので時間に余裕があれば製作にチャレンジしてみたいと思います。
この他に良い方法がありましたら、ご連絡いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。






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